ざっくりと伝えられるようになるだけでも、それは強みになる

僕は、会社員時代に、

一時期、通関士をしていました。

 

通関士の主な仕事は、

貨物を輸出したり、輸入したりするときに必要となる税関での手続きを、

代行することです。

 

 

貨物を輸入する際には、関税や消費税がかかります。

(かからない場合もあります。)

 

当時僕は、

お客様である貿易会社(商社)に、

関税や消費税の税額を連絡したり、

納税の担保手続をしたり、

輸入許可書を納めたりしていました。

 

 

あるとき、

お客様である商社の営業マンの上司の方から、

僕に電話が入りました。

 

「この消費税って、どうなるんですか?」

 

とてもざっくりとした質問です。

 

 

 

茨城県のある港(当時の僕の勤務地)で水揚げされる貨物の一つに、

建築用の資材があったのですが、

その資材を輸入している商社の一つに、

大手商社があったんですね。

その大手商社は、

全国各地、たくさんの港で、

同一の貨物を水揚げしていていたのです。

 

建築用の資材の輸入申告は、

茨城県のとある港では、

当時は僕がほぼ専属で受け持っていましたが、

国内の別の港では、

また別の会社に所属する、別の通関士が受け持っていた、

ということになります。

 

 

で、その大手の商社の営業マン(役職者)から、

僕に電話がかかってきたのです。

 

「この消費税って、どうなるんですか?」

 

 

当時、僕はバリバリの通関士でしたが、

密かに、消費税法全体のことも勉強し始めていました。

(税理士に興味を持ち始めたころです。)

 

ですので、

その質問があったときに、

聞きたいことは通関の時おける消費税のことではなくて、

消費税の仕組みの全体像、

確定申告も含めたことだろうと、

考えが及んだのです。

 

だから、

輸入消費税のこと、

輸入許可通知書の意味、

仕入税額控除のこと、

お客様の会社(商社)における消費税の確定申告のことなどを、

ざっくりとお話しすることができました。

 

電話の向こう側では、

僕に電話をかけてきたお客様が、

受話器をもちながら、

僕の説明に納得して、

ウンウンと大きく頷いていることが、

手に取るように分かりました。

 

 

電話をおいて、

僕は、また仕事に取りかかったのですが、、、

 

そのお客様は、

もう一度僕の会社に電話をかけてきて、

こんどは、上司や、僕の隣の部門である営業部門の責任者に

電話を取り次いでもらっていた”みたい”です。

 

「おたくの通関は日本一や!」

 

と伝えるために。

 

全国各地のたくさんの港の通関士に電話して回ったけど、

おたく(僕)のところで、

ようやく納得のできる説明をしていただけたと。

 

そんなお礼の電話が入っていた”みたい”です。

 

あとからちらりと聞きました。

 

 

これは、

僕が、

ざっくりであっても、

いろいろと知っておくことも大事かな、

と思った出来事です。

 

ほんとうは、たくさんのことを深掘りできれば、

一番いいのでしょうが。。。

深掘りまではできなくても、

ざっくりとでも全体像を掴んでおくことは有効だな、

と感じました。

 

たくさんの”ざっくり”を繰り返しているうちに、

そのうちのなにか一つでも得意分野となったり、

深掘りできたりするものが出てきたら、

しめたものかな。

 

その結果、

得意分野 × 得意分野 × ・・・

が出来てくるようになれば、

しめたもの。

そう考えています。

 

 

 

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

 

どんなざっくりをしてきたのだろうか、

どんな深掘りをしてきたのだろうか、

これまでのことを思い出しつつ。

 

 

また新たなざっくりも。

 

よく分らないままだった物理の世界。

最近僕は、

ざっくりと、物理の勉強を続けているところです。