扶養親族の移し替えをすることは可能か

扶養親族の移し替えをすることは可能か

共働きの家庭のように、所得者が2人以上いるような場合には、重複しない限り、扶養親族をその内どちらの所得者の扶養親族として取り扱っても構わないのですが、

 

たとえば、共働き家庭の一方の所得者が、その子どもを扶養親族として扶養控除の適用を受けていたが、その者の給与が著しく減少したことや病気で入院することとなったなどの事情によって、

もう一方の所得者のほうに年の途中から扶養控除の適用を変更したいこととなった場合に、それ自体が可能かどうか、またどのように手続きをすればよいのかについて、見てみましょう。

 

扶養控除の移し替えは可能

結論としては、複数の居住者が同時に同一人物を扶養控除の対象としなければ、扶養控除をする所得者の移し替えが可能となっています。

 

扶養控除の移し替えの手続き

仮に、共働き夫婦家庭(夫A、妻B、子C)で、夫Aが子Cを扶養親族として扶養控除の適用を受けていたが、年の途中において妻Bが子Cを扶養親族とすることとなる場合の手続きは、次のとおりとなります。

 

夫Aの手続き

夫Aが子Cを控除対象扶養親族として申告していたことを取り消すために、

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を夫Aの給与等の支払者に提出します。

 

妻Bの手続き

夫Aの手続きの後、

妻Bが子Cを控除対象扶養親族として申告する旨の、

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を妻Bの給与等の支払者に提出します。

 

 

この一連の手続きにより、子Cは、夫Aの控除対象扶養親族から妻Bの控除対象扶養親族に移し替えがされることとなります。

なお、この手続きにより、夫Aは、年末調整や確定申告において子Cを扶養控除の対象とすることはできないこととなります。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。