事業活動を休止した法人の均等割額が課されないようにするための手続き

休業法人の均等割額を納付をしないようにするための手続き

法令等に基づく解散・清算等の手続きを行わない状態で事業活動を停止して、再開の見込みがないという、いわゆる休業の状態であるならば、

法人の地方税の均等割額を納めないですむようにしておこう、ということが考えられます。

 

今回は、このような休業法人における、そのときの手続きを、記載しておきます。

 

 

概要

原則としては、法人は、解散後、清算が結了するまでは、申告と納付を行う必要があります。

所得がなくても、府や県、市町など(以下、市町村等)には、均等割額を納付することになります。

 

しかし、つぎのような一定の休業法人に該当するのであれば、手続きを行うことによって、

その申告納付を行わないようにすることができます。

 

 

休業法人の状態

休業法人は、つぎのような状態の法人となります。

  1. 法令等に基づく解散・清算等の手続きを執行できない状態で事業活動を停止して、雇用や人件費の支出がなく、また、事業収入もなく、再開の見込みがない状態の法人
  2. 設立後、事業活動が開始されずに、登記のみの状態となっている法人
  3. 解散後、清算事務を執行できない状態になった清算法人

 

つまりは、”現状何も活動していない法人”という表現も考えられます。

冒頭文は、こちらの、1.の状態の法人となります。

 

なお、休業が一時的である場合には、該当しません。

また、コロナ禍の影響等により、事業活動を停止していても、補助金や支援金などを受給していれば、休業にはなりません。

法人名義の収入や支出があれば、休業とは取り扱われない可能性も・・、とお考えいただければと思います。

詳細は、手続きを行う市町村等に事前に確認いただくことになります。

 

 

手続き

eLTAXでの手続き

「異動届」を、市町村等に提出します。

変更項目の欄のなかには、「その他の変更項目」を記載する欄がありますので、その箇所に休業の旨、及び休業の年月日を記載します。

 

添付書類

「異動届」を提出する際には、おそらく、市町村等による”独自の書類”の提出を求められることになります。

その”独自の書類”は、記載内容はほぼおなじであるものの、名称は微妙に違っていたりします。

(例: 法人の現況申立書 など)

 

「異動届」を提出する市町村等に、事前に確認されると良いでしょう。

”独自の書類”は、市町村等のホームページからネットで入手可能な場合もありますし、

郵送やFAXでの入手となる場合もあります。

 

ちなみに、市町村等によっては、

この”独自の書類”の記載内容が「異動届」を兼ねているところもあり、

”独自の書類”のみで手続きが完結できるようにもなっています。

このような場合には、eLTAXによる「異動届」が不要ということですね。

もっとも、郵送のほうを省略するために、

eLTAXの添付資料として提出してもかまわないでしょう。

 

以上の詳細は市町村等によりまちまちであることが考えられますので、

事前に、提出先の市町村等(各自治体)に確認をお願いいたします。

 

 

遡って休業、途中から休業

数か月前から休業していても、事業年度の途中からの休業であっても、

途中から遡って適用することができると考えます。

 

たとえば、3月決算の法人で、5月になってから、

昨年の10月以降は休業だった、といった届出をするような場合です。

こちらが適用されれば、均等割額は、事業年度の途中までの月割計算となります。

 

この場合、市町村等によっては、別途、

法人税の申告の際の「法人事業概況説明書」などの資料の提出を求められることもあります。

(これは、月別の取引の記載欄を確認するためのようです。)

 

こちらも、適用が認められるかどうかも含めて、

資料は市町村等によりまちまちであることも考えられますので、

提出先の市町村等(各自治体)に、事前に確認をすることとなります。

 

 

遡及して申告・納付が必要となるとき

調査が入ることも考えられます。

調査によって、実態として休業しておらず、法人としての活動があったと認められる場合には、

もちろん、遡って課税されることとなります。

 

 

まとめ

結局のところは、

  • 休業の事実が認められれば、均等割額は課税されない
  • 詳細は、手続きを行う府や県、市町村などへの確認を

ということになります。

 

 

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。