贈与等の際に支出した付随費用の取得費算入

贈与等の際に支出した付随費用の取得費算入

数年前に贈与を受けた資産を譲渡する場合に、贈与の際に支出した名義書き換え料などの付随費用を

譲渡所得の金額の計算上取得費に加えることができるのかどうかについて、見てみましょう。

 

 

必要経費に算入されたものを除いて取得費に算入

贈与により譲渡所得の基因となる資産を取得した場合において、その贈与にかかる受贈者がその資産を取得するために通常必要と認められる費用を支出しているときには、

その費用のうち譲渡する資産に対応する部分の金額については、取得費に算入できることになっております。

 

ただし、各種所得の金額の計算上必要経費に算入されたものを除きます。

 

なお、これは贈与に限らず、相続または遺贈により取得した資産についても同様となります。

 

 

 

取得費になる付随費用の例

取得費になる付随費用の例としては、

不動産登記費用、登録免許税、不動産取得税などのほか、

ゴルフ会員権や、株式の名義書き換え手数料など、

贈与、相続、遺贈の際に、通常支出される費用については、取得費に算入することができます。

 

なお、遺産分割の際の弁護士費用や訴訟費用を支出したとしても、

これは一般的には紛争解決のための費用であることから、

通常支出される費用とはいえず、取得費にはならないと考えます。

 

 

概算取得費控除の場合には取得費に算入しない

譲渡所得を計算する際に、概算取得費控除(売却金額の5%を取得費とする方法)を適用する場合には、

この5%の取得費に、さらに付随費用を取得費に加えることはできません。

 

仮に、実際の取得費が売却金額の5%相当額を下回る場合であっても、売却金額の5%相当額を取得費とすることを選択することはできますが、

この方法を選択すれば、別途付随費用を取得費に算入してはいけないこととなります。

 

 

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。