賃借している建物に行った造作の耐用年数と、自己が所有する建物に対して行った資本的支出の耐用年数

賃借している建物に行った改装などの造作と、自身が所有する建物に対して行った資本的支出

事業者が事務所や店舗などの建物を不動産会社などから賃借して、その建物の内部を改装するなど一定の造作を行った場合には、事業者自身が所有する建物に対して行った資本的支出の場合で、耐用年数の考え方にどのような違いがあるのかを見てみましょう。

賃借している建物に対する造作の耐用年数

新たに事務所や店舗などをかまえたときには、壁や天井の工事、換気や電気関係の工事、ときにはエレベーターの設置などの改装をすることがあると思われます。

 

このような改装(造作)をした場合には、建物付属設備として個別に区分されるものを除いて、

建物内部の造作を1つの固定資産として耐用年数を見積もることとなります。

 

耐用年数は、その建物の耐用年数、造作の種類、用途などを勘案して「合理的に見積もり」ます。

この「合理的に見積もる」というのが税法では逆に難しいところになるのですが、各工事の施工業者から使用可能期間の見積もりを取得するとか、同様の案件を別のところで採用していた場合のその実績を参考にするなどの方法があると考えられます。いずれにしても説明可能なものを準備しておくことになるでしょう。

 

なお、賃借期限が定められていて、その更新ができないもの、かつ、造作の買い取り請求等ができないものについては、その賃借期限までの期間を耐用年数と定めて減価償却をすることができることとなっています。

 

 

自己が所有する建物に対する資本的支出の耐用年数

自己が所有する建物に対する資本的支出の耐用年数は、建物付属設備として個別に区分されるものを除いて、建物本体の耐用年数を採用することとなります。

 

とはいっても、余談ですが、

実務面では、建物に対する資本的支出は、建物本体にかかるものではなく、結局は建物付属設備に該当するものであることが多いのではないでしょか。

また、建物本体にかかるものであっても、「資本的支出か修繕費か」の判定で、資本的支出に該当せず、修繕費に該当するものが多いと感じております。

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。