個人事業者が源泉所得税を支払ったときの仕訳例

個人事業者が受け取る報酬から源泉所得税が差し引かれる場合

すべての個人事業者に該当するわけではありませんが、個人事業者がサービスを提供しその対価として受け取る報酬から源泉所得税が差し引かれている場合に、どのような仕訳で記帳すればよいのかを見てみたいと思います。

対象となるのは、士業を営むの個人(弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、土地家屋調査士、測量士、建築士、不動産鑑定士など)が受け取る報酬のほか、作家の原稿料、大学教授等の講演料、外交員等の報酬、プロのスポーツ選手やホステス、モデルの報酬、通訳の報酬、監督や俳優、歌手、落語家の報酬など多岐にわたります。

通常は、請求側において報酬等の請求書を作成する際に相手先が源泉徴収義務者に該当するのかどうかを確認し、そのうえで源泉徴収税額を計算して請求書を発行することになります。

請求した報酬等が入金されたときの一連の会計処理は、以下の仕訳例ようになります。

 

請求の例

講演料    100,000円

消費税    10,000円

源泉徴収税額 10,210円

差引:請求額 99,790円

 

請求時の仕訳例

(円)

売掛金 110,000 売上高 110,000

※消費税は税込経理を採用している例とします。

 

報酬等が入金されたときの仕訳例

(円)

現金預金 99,790 売掛金 110,000
仮払金(又は立替金) 10,210

源泉所得税を、仮払金勘定や立替金勘定で処理しておきます。

請求時に即入金であれば、上記の「請求時の仕訳例」の仕訳の代わりに、この仕訳の(貸方)を売掛金ではなく、売上高と仕訳します。

 

なお、仮払金勘定を使用せずに、次のように、事業主貸勘定を使用する方法もあります。

現金預金 99,790 売掛金 110,000
事業主貸(補助科目:源泉所得税) 10,210

 

事業主貸勘定を使用すれば、精算時に若干の手間が省けるのですが、源泉所得税にかかる事業主貸勘定であることを明確にするために、事業主貸勘定に補助科目を登録して源泉所得税であることを分かりやすくしておくのが望ましいです。

 

 

精算するときの仕訳例

(円)

事業主貸 99,790 仮払金(又は立替金) 99,790

 

仮払金(又は立替金)を使用していても、結局最後は、事業主勘定に振替えます。

最初から事業主貸勘定を使用していれば、この精算仕訳は不要となります。

じゃあ、仮払金(又は立替金)を使わないほうが楽で良いじゃん、ということになりますが、最後は同じなので、仮払金でも事業主貸でも、自分に合った方を採用すればよいだけのことです。(事業主貸勘定を使用すれば、補助科目を指定する手間がその都度かかりますので。)

結局は、どちらも大した手間ではありません。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。