従業員の資格取得費用を会社が負担した場合の源泉徴収
従業員の資格取得費用を会社が負担した場合の非課税
会社が業務上の必要に基づいて、その役員や従業員に資格を取得させることがあります。
例えば、自動車の運転免許がない従業員に外回りの営業をさせるために運転免許を取得させることや、作業現場を管理させるために必要な資格を取得させるようなことが考えられます。
このような場合において、会社が役員や従業員の資格取得費用を負担したときには、その費用として適正なものである限り、その役員や従業員に源泉所得税を課税しなくて差し支えないこととなっています。すなわち、会社の負担した費用は、役員や従業員にとっては源泉所得税や住民税が課税されず、非課税という取り扱いになります。
非課税とならない資格取得費用
あくまでも「その費用として適正なものである限り」非課税となるので、
特に業務上必要とされているわけでもない資格を取得させているような場合には、非課税とすることはできません。
また、業務上必要であるということを隠れ蓑にして親族役員などにのみ会社の経費を使って資格を取得させているような場合にも、非課税とすることはできません。
税務調査などの際に、会社が資格取得費用を負担する根拠をしっかりと説明できるようにしておきましょう。
必要な資格取得費用であることの説明
業界によっては、必要とされる資格の範囲は説明するまでもないこともありますが、
会社で業務上の必要資格一覧などを作成して計画的に従業員に取得させるように進めること、
会社の玄関に有資格者一覧を掲げておくこと、
ホームページやパンフレット、名刺などでアピールしておくことなどが、税務調査などの際などで、よい説明材料になるといえるでしょう。
役員や従業員に対しては、取得する資格は今後の会社の業務に必要であることを強調するために、資格取得後の一定期間は転職・退職しないことの誓約書をあらかじめもらっておくのも良いかも知れません。
誓約書として一筆もらっておくことの効果のほどは、将来のことなので定かでないところもありますが、税務対策のみならず、人事政策の面でも一定の効果は得られるので大切なことだと思われます。