永年勤続表彰などで役員や従業員を旅行に招待した場合
永年勤続表彰などで役員や従業員を旅行に招待した場合
永年勤続表彰などで、役員や従業員に現金や換金性の高い商品券などを支給した場合には所得税の源泉の対象となりますが、表彰の対象となる役員や従業員を旅行に招待した場合に所得税の源泉徴収の対象となるかどうかを見てみましょう。
旅行への招待は一定の要件を満たせば課税しなくて差し支えない
永年勤続表彰などにおいて、役員や従業員を表彰し、その記念として旅行や観劇などに招待することによりその役員や従業員が受ける利益で「一定の要件」を満たすものについては、基本的には課税しなくて差し支えないこととなっています。
一定の要件とは
次の全ての要件に該当するものは、課税しなくて差し支えないこととなっています。
- 役員や従業員が得る利益の額が、その役員や従業員の勤務期間等に照らして社会通念上相当であると認められるもの
- その表彰が、おおむね10年以上勤続した人を対象としたものであること
- 複数回表彰を受ける人については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること
以上の要件を満たしているのであれば、旅行した役員や従業員が受けた経済的利益については、課税しなくて差し支えないこととなります。
旅行費用を負担したことを明らかにすること
旅行した役員や従業員が受けた経済的利益について課税しないようにするためには、その役員や従業員を永年勤続表彰などにおいて表彰した記念として招待した旅行であること、そして負担した費用はその旅行であることを明らかにしなければなりません。
明らかにする方法として、
- 旅行する期限を区切る(たとえば1年以内に限る、など)
- 旅行したことの報告を提出してもらう(旅行した日、行き先などが分かる旅行会社の明細を添付する、など)
ことが考えられます。
ひとりごと
ずいぶん前のことであり、かつ自分には関係のないことと思っていたのでぼんやりとしか覚えていないのですが、
旅行代理店業を営んでいる会社で働いていたときの経験では、その会社の旅行代理店事業で使えるクーポン券が永年勤続表彰として対象者に支給されていたような。。。
たしか、勤続25年とかで40万円くらいのクーポン券が支給されていたような気がします。
旅行内容が会社側に分かるというのは、なんだか試されているのでは、とそのとき感じたことを思い出します。
旅行一つとっても、その人のセンスが分かってしまうのかなと。
まとめ
- 永年勤続表彰などで役員や従業員に記念品として旅行に招待したような場合には、一定の要件を満たせば、課税しなくて差し支えない。
- 旅行に招待し、その費用を負担したことを明らかにできるようにしておくこと。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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