通勤手当を含めて給与を支給した場合の、通勤手当の非課税扱いの可否
通勤手当を含めて給与を支給した場合
通勤手当については、非課税限度額の範囲内であれば給与所得として課税されず非課税の扱いとして認められているものですが、なかには、通勤手当込みで支給される給与から各従業員が通勤費用を負担しているケースがあるかもしれません。
このような場合に、年末調整において、通勤手当込みで支給した給与から通勤手当に該当する金額を抜き出して非課税扱いとして処理することが可能なのでしょうか。
答えは、否です。
通勤手当込みで支給した給与から通勤手当に該当する金額を抜き出すことはできません。
給与明細等に区分して記載することが必要
通勤手当が非課税とされるようにするためには、通常の給与にプラスして別建てで支給されることが要件となっています。
- 給与明細書などに、通常の給与とは区分して記載し、
- 通勤手当の金額として明示しなければいけません。
したがって、たとえ支給する側も支給される側も同意のうえで、通勤手当を給与に含めて処理したとしても、
上記の要件を満たしていなければ非課税扱いにはならないのです。
年末調整において給与から控除して非課税扱いすることもできませんし、
確定申告において給与から控除することも認められません。
ひとりごと
通勤手当を支給するといわれたら、必ず給与明細書で別建てで明記されているかを確認しましょう。
給与に含めて支給するといわれても、別建てでほしいと主張しましょう。
給与所得の非課税扱いの規定を活用するようにしましょう。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
※この記事は、作成時点の法令または経験などをもとに記載したものです。法改正などにより記載内容に相違が生じる可能性があります。
記事中の意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては個別具体的な内容をお近くの税理士にご相談くださいますようお願い申し上げます。