資金繰りの一時的な悪化等により役員報酬を未払計上して翌月に繰り越したときの定期同額給与

役員報酬を未払計上して翌月に繰り越したときの定期同額給与

会社の資金繰りが一時的に悪化したことなどの都合により、定期同額給与として毎月所定日に支払っている役員報酬を未払計上して、支払いを翌月に繰り越すようなことがあるかもしれません。

このような場合に、未払の役員報酬が定期同額給与として認められるかどうかについて、見てみましょう。

 

定期同額給与は支給時期が一定期間ごと

役員報酬の損金算入が認められる定期同額給与は、原則支給時期が1ヶ月以下の一定期間ごとであることを前提としたものです。

ということは、支給時期が一定期間ごとに到来する役員報酬であれば、定期同額給与に該当すると考えられており、その支給時期が到来する都度役員報酬を認識するようにしておけば定期同額給与の要件を満たしていると考えます。

 

つまり、会社の資金繰りが一時的に悪化したことなどの都合により、実際に計上月に現金預金で支払われていようが、または、未払計上をして実際には支払われていなくて翌月などに(支払えるようになってから遅滞なく)支払われたものであろうが、会計帳簿に毎月定額の役員報酬が計上されておれば定期同額給与として認められると考えます。

 

未払計上したときの仕訳の例

通常の月

(借方) 役員報酬 50万円 / (貸方) 現金預金 50万円

 

資金繰りが悪化した月

(借方) 役員報酬 50万円 / (貸方) 未払金 50万円

 

資金繰りが正常に戻った月

(借方) 役員報酬 50万円 / (貸方) 現金預金 100万円

(借方) 未払金 50万円

 

以上のように、定期同額給与として、会計帳簿に毎月同額の役員報酬を計上するようにします。

※源泉徴収は省略しています。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。