社内の自動販売機の手数料収入の計上漏れ

社内の自動販売機の手数料収入の計上漏れに注意

一定規模の会社になってくると、福利厚生の一環として、社内に自動販売機を設置している会社が多くなると思われます。

自動販売機の設置や商品の補充、販売、メンテナンスなどの管理は自動販売機の設置業者が行い、会社はほとんど何もしていないようなかたちで行う場合には、

自動販売機での売り上げに比例するような計算などで、契約者である会社は、その設置にかかる手数料収入を管理会社から得ることが多くあります。

 

このように、会社名義で設置契約をしたことによって生じ得るこのような手数料収入については、会社側で「雑収入」などの収益に計上しておくことが重要となってきますので、計上を忘れないようにしましょう。

 

手数料収入を福利厚生の一環として社員に還元した場合

会社が受け取った手数料収入を福利厚生の一環として社員に還元することがあります。

仮にそのような場合であったとしても、設置業者からダイレクトに社員(従業員代表など)との取引にはしないで、契約者である会社を通じて行うことが望まれます。

利用者である社員にその手数料収入を還元するような場合であっても、いったん会社側で手数料収入を計上した後に、社員への還元を福利厚生費などで処理することとなります。

 

何の取引記録もなければ役員賞与になる可能性もあり

もしも、設置業者からダイレクトに社員に対して手数料収入が渡されている場合には(通常はそのような場合はないと考えられるのですが)、それにかかわる取引記録簿を必ず備え付けておかなければなりません。

取引記録がなければ、その手数料収入は会社の契約者である代表者が受領したこととされる恐れがあります。

手数料収入が一切記録されず、何の事実証明もされなければ、まず、会社として手数料収入の計上漏れとなってしまいます。

そして、会社側の契約者である代表者が手数料を不定期に受け取ったことによる役員賞与(損金不算入)の認定がされてしまいます。

さらに、代表者については、手数料収入分の収入を得たことによる所得税等の計算が過少になっているので、個人の税金にも影響が及びます。

もちろん、ペナルティー的な意味合いのある附帯税も課されます。

以上のような可能性があるので、もしかしたら忘れてしまいがちな社内の自動販売機の手数料収入の計上を忘れないようにしましょう。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。