「特定課税仕入れ」がある場合の基準期間における課税売上高

「特定課税仕入れ」がある場合の基準期間における課税売上高

消費税の納税義務の判定には、基本的には、基準期間における課税売上高により行うのですが、

たとえば、フェイスブックを利用して国内で広告を出しているなどの「特定課税仕入れ」がある場合には、納税義務の判定に際して、その基準期間における課税売上高に、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額を加算するのかどうか、悩むことがあるかもしれません。

 

今回は、「特定課税仕入れ」がある場合の納税義務の判定に利用する、基準期間における課税売上高などについて、見てみたいと思います。

 

 

「特定課税仕入れ」とは

「特定課税仕入れ」とは、日本国内において、国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」等 をいいます。

国外事業者は外国の会社のことですが、たとえばアメリカの会社であるフェイスブックなどが該当しています。

また、「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、たとえば広告の配信がイメージしやすいと思います。

 

基本的には、国外の会社は日本の消費税を支払うことはありませんので、このような「特定課税仕入れ」があっても、国にはそれにかかる消費税を納付してもらうことはありません。

そこで国としては、日本におけるサービスの提供にかかる消費税を、役務の提供を行った国外の事業者にではなく、役務の提供を受けた日本の事業者に代わりに納めてもらうような形をとっています。(ここでは詳細は省略しますが、”事業者向け”の電気通信利用役務の提供でない等の場合には、また別の取り扱いがあります。)

 

その納め方としては、消費税の課税標準額に、「特定課税仕入れ」の対価を別建てで売り上げにプラスして申告するようなイメージです。

いまのところは、全ての日本の事業者がこの対象となっているわけではなくて、一般課税で消費税を申告している課税売上割合が95%未満の事業者が対象となっています。

 

 

納税義務の判定には、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額は含まれない。

納税義務の判定は、その事業者が行った課税資産の譲渡等の対価の額から計算した「課税売上高」により判定することとされています。

 

冒頭の疑問は、この納税義務の判定に際して、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額を「課税売上高」に含めるかどうかなのですが、

結論としては、納税義務の判定の際には、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額は「課税売上高」に含まれないこととなっています。

 

「特定課税仕入れ」は、売上の金額ではなく、文字通り、あくまでも仕入れの金額であるので、いくら日本の事業者が「特定課税仕入れ」を売り上げにプラスして消費税を納めているからといっても、納税義務の判定に使う「課税売上高」とは違う位置づけとされているからでしょう。

 

このことから、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額を課税標準として消費税の申告・納税を行っていたとしても、

納税義務の判定おける「課税売上高」には、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額は含まれないこととなっているのです。

 

ちなみに、消費税の簡易課税制度が適用されるかどうかの判定についても、納税義務の判定と同様に、「特定課税仕入れ」に係る支払対価の額は「課税売上高」には含まれないこととなっています。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。