期首から3か月経過後に決議された役員給与の額の改定

期首から3か月経過後に決議された役員給与の額の改定

定期同額給与として損金算入することができる役員給与の額を改定するのは、本来は、期首から3か月以内とされていますが、

期首から3か月を経過した後の改定であっても、特別の事情があれば、定期同額給与の額の改定として認められることとなっています。

 

今回は、期首から3か月経過後に決議された役員給与の額の改定が認められる場合について、見てみましょう。

 

 

「特別の事情」があれば3か月経過後も改定が認められる

事業年度の開始の日から3か月を経過する日までに支給額の改定がされた役員給与は定期同額給与として損金の額に算入することが認められていますが、

冒頭にあるように、3か月を経過後に改正せざるを得ない「特別の事情」がある場合には、その改定が認められており、その改定された役員給与についても定期同額給与として取り扱うこととされています。

 

 

「特別の事情」があると認められる場合

「特別の事情」があると認められる場合とはどのような場合なのかですが、

役員給与の額の改定について、

  • 組織面
  • 予算面
  • 人事面

などにおいて、

何らかの制約を受けざるを得ない内外事情がある場合は、

「特別の事情」があると認められる場合に該当するとされています。

 

ただし、「特別の事情」による改定がされた定期給与であったとしても、

継続して毎年所定の時期に改定されるものでないような場合には、

その改定が、別途認められている臨時改定事由による改定に該当しない限り、

定期同額給与として認められないこととなるので留意しなければなりません。

 

「特別の事情」があると認められる事例

「特別の事情」があると認められる事例としては、次のようなケースが考えられます。

 

<事例>
親会社と子会社で決算期が違う場合

たとえば、親会社が3月決算で、子会社が12月決算となっており、

子会社の役員給与の支給額が、毎年、親会社の役員給与の支給額を参酌して決定されているような場合です。

親会社側での定時株主総会の開催が5月とされていて、

その決議を待ってからでしか子会社側では役員給与の額が改定できないような常況となっていれば、

「特別の事情」があるといえるでしょう。

 

(参考:法人税法基本通達9-2-12の2)

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。