源泉所得税を差し引いた後の金額をキリのいい数字に逆算する方法
報酬の現金手渡しをキリのいい金額にしたい場合
単発で講師などを依頼して、その日のうちに講師に現金で報酬を手渡しでお支払いする場合には、手取り額でキリのいい金額にすることがあると思います。
あまりに多額の報酬になると現金で渡すよりは振込になることが多いので、あえてキリのいい金額にするまでは気にしなくてもいいのですが、
現金の手渡しとなると、硬貨をじゃらじゃら扱うのは、支払う方も受け取る方もちょっと気になるところがありそうですものね。
ということで、今回は、手取り額でキリのいい金額にするための計算方法を見てみたいと思います。
源泉所得税を差し引いた後の金額をキリのいい数字に逆算する方法
講演料などの報酬・料金等の源泉所得税の税率は10%となっており、復興特別所得税も含めると、10.21%となっています。
源泉が10.21%ということは、手取り額は89.79%となるので、
手取り額÷0.8979
で源泉する前の金額が計算出来ます。
<計算例>
手取り額が1万円の場合
10,000÷0.8979=11,137(報酬額)
11,137×10.21%=1,137(源泉)
11,137-1,137=10,000(手取り額)
消費税を認識する場合に源泉所得税を差し引いた後の金額をキリのいい数字に逆算する方法
請求書などで、講演料などの報酬・料金等の金額と消費税額が区分して記載されている場合には、その報酬・料金等の金額のみを対象に源泉徴収しても差し支えないこととなっています。
この場合の計算についても見てみましょう。
<計算例>消費税率8%のとき
手取り額が1万円の場合
税抜の報酬額をX円として、
1.08X-0.1021X=10,000
を解くと、
X=10,226(税抜の報酬額)
となります。
10,226×8%=818(消費税)
10,226×10.21%=1,044(源泉)
10,226+818=11,044(税込みの報酬額)
11,044-1,044=10,000(手取り額)
<計算例>消費税率10%にアップ後
手取り額が1万円の場合
税抜の報酬額をX円として、
1.1X-0.1021X=10,000
を解くと、
X=10,021(税抜の報酬額)
となります。
10,021×10%=1,002(消費税)
10,021×10.21%=1,023(源泉)
10,021+1,002=11,023(税込みの報酬額)
11,023-1,023=10,000(手取り額)
となります。
いかがでしょうか。
キリのいい手渡し金額にするための計算方法でした。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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