償却資産税の申告が必要となる建物付属設備について
償却資産税の申告が必要となる建物付属設備がある
建物や土地には、固定資産税がかかります。
毎年1月1日時点の所有者に対して、
国が定めた基準に基づいて、市町村が固定資産税評価額を定め、その固定資産税評価額をもとに一定の方法によって固定資産税が計算されます。
固定資産税は、いわば、所有者がほったらかしにしておいても、市町村が勝手に税金を計算してくれて、納付書などの書類が所有者のもとに郵送されてくるものです。
そして、
建物付属設備は、基本的には、建物と一体のものとして扱われて建物に取り込まれて評価されています。
従って、建物付属設備(一定の構築物を含む。)を所有していても、市町村が評価した固定資産税評価額に既に含まれているので、基本的には、事業者が行う償却資産税の申告の対象とはなっていません。
しかし、建物付属設備の一部には建物の評価として取り込まれずに、償却資産税の申告の対象として取り扱わなければならないものも存在しています。
それでは、どのような建物付属設備が償却資産税の申告対象となっていて、どのような建物付属設備だと償却資産税の申告となっていないのかを見てみましょう。
一般的に申告が必要な建物付属設備
次のような建物付属設備(および構築物)は、一般的には建物の評価額に含まれていないため、原則的には償却資産税の申告をする必要があります。
- 門、塀
- 舗装路面、砂利敷き
- 植栽、庭園
- 電力引き込み設備
- 工場用建物等における動力用配線設備
- 建物の屋外に設置する給水、排水、ガス設備
- 工場等における生産設備であるボイラー設備等
- 配管のない冷房・暖房設備(後付けのルームエアコン等)
- アーケード、日よけ
- 食料品店等の冷蔵室に付属する冷凍設備
物理的に建物と一体でないもの、後付け設置できるもの、屋外設置型のもの、建物というよりは機械などの設備として分類されるようなものが申告しなければならないものに該当しますね。
一般的に申告が不要とされている建物付属設備
電気設備や給排水設備等、建物と一体となってその効用を発揮しているものについては、基本的には、既に家屋として評価されているので、償却資産税の申告は不要とされています。
具体例として、次のようなものが挙げられます。
- 工場等以外の建物の動力用配線設備
- 建物内部の給水、排水、ガス設備
- トイレなどの衛生設備
- ユニットバス用給湯器等
- 建物内に配管のある冷房・暖房設備
- エレベーター等の昇降機設備
- 消火又は災害報知設備
- エアカーテン、ドア自動開閉装置
- 内装
- 店舗等におけるシャッター
- 冷蔵倉庫の防熱設備
- 劇場等の固定椅子
物理的に建物と一体のもの、一般的に建物に始めから取り付けられているもの、屋内設置型のものが建物と一体で評価されるので別途の申告が要らないものに該当しますね。
「賃借した建物」に取りつけた建物付属設備の取り扱い
建物の所有形態が賃借したものである場合には、建物附属設備の取り扱いが上記とは異なります。
賃借した建物等に取り付けた内装・造作や設備については、上記のように「一般的に申告が不要とされている建物付属設備」も含めて、原則として償却資産税の申告対象として取扱うことにご注意ください。
(関連情報 ↓)
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