未稼働・遊休状態の償却資産の申告義務
償却資産の申告
償却資産の申告は、基本的には、土地および家屋以外の事業の用に供することができる資産について行うことが必要となります。
毎年1月1日現在所有している償却資産の内容を、その償却資産の所在する市区町村に対してその年の1月31日までに申告しなければなりません。
個人事業者については、通常は所得税の申告における減価償却明細などの固定資産を管理している帳簿等をもとに行います。
それでは、例えば、その年の前年に償却資産を購入し店舗や事務所等に設置しているがまだ稼働していない状態のもの、あるいは遊休状態にある資産についてはどのようになるのでしょうか?
未稼働の償却資産の申告義務
未稼働や遊休の状態である償却資産であっても、1月1日現在において「事業の用に供することができる状態にあるもの」については、償却資産の申告の対象となっております。
償却資産
構築物
舗装路面、門・塀・緑化施設等の外構工事、看板、受変電設備、内装・内部造作など
機械及び装置
各種製造設備等の機械及び装置、建設機械、機械式駐車設備など
船舶
ボート、釣船、漁船など
航空機
飛行機、ヘリコプターなど
車両及び運搬具
大型特殊自動車(分類記号が「0、00~09、000~099」「9、90~99、900~999」である一定の車両)など
工具、器具及び備品
パソコン、陳列ケース、ネオンサイン、医療機器、測定工具、理容機器、美容機器など
「事業の用に供することができる状態にあるもの」とは
未稼働や遊休状態の償却資産であっても、「事業の用に供することができる状態にあるもの」については、償却資産の申告の対象となりますが、
「事業の用に供することができる状態にあるもの」とは、次のような状態であると考えられます。
例えば、
- 内装や造作であれば、工事が完成し、施工業者からの引き渡しを受けた状態
- 製造設備であれば、設置が完了し引き渡しを受けた状態で、電源を入れて稼働できるような状態
- パソコン、陳列ケース、ネオンサイン、医療機器、測定工具、理容機器、美容機器なども同様に、引き渡し・設置が完了しており、電源などを入れればすぐに使うことができるような状態
であると考えられます。
1月1日現在に未稼働の状態であっても、前年の年末までに調達した償却資産が上記のような状態であれば、償却資産の申告をしなければならないということですね。
そういったことからも、年末時点で遊休状態の資産は、不要であるならば節税のためにも売却や除却の処分を検討するようにしましょう。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
※この記事は、作成時点の法令または経験などをもとに記載したものです。法改正などにより記載内容に相違が生じる可能性があります。
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