会社が従業員に支給する祝い金や見舞金などへの所得税課税

会社が従業員に支給する祝い金や見舞金などへの所得税課税

使用者が役員や使用人などの慶弔に際して支払う祝い金や見舞金などは、役員や従業員としての地位に基づいて支給されるものであるため、基本的には、その支給を受ける人にとっての給与等に該当して、源泉徴収の対象となります。

とはいっても、

慶弔関係の金品の給付は広く一般的に行われていることが考慮されており、その金額が支給を受ける人の地位などに照らし合わせて「社会通念上相当と認められる」ものについては、課税するのは妥当でないため、課税しなくて差し支えないこととなっています。

 

「社会通念上相当と認められる」もの

お祝い関係であれば、次のようなものが該当するでしょう。

  • 結婚祝い
  • 出産祝い
  • 入学祝い
  • 卒業祝い
  • 成人祝い
  • 新築祝い
  • 快気祝い

など

 

お見舞い関係であれば、次のようなものが該当するでしょう。

  • お香典
  • 災害見舞い
  • 入院見舞い

など

 

「社会通念上相当と認められる」金額

では、一体いくらまでなら所得税が課税されないのでしょうか?

その答えは、

「ケースバイケース」

なのです。

つまり税法上の詳細な定めはありません。

例えば、

会社の従業員への結婚祝い金が3万円くらいまでなら妥当と感じても、それが20万円となると「(多い)!?」と感じはしませんでしょうか。

このように、具体的に「社会通念上の範囲」が詳細に規定されているわけではないので、「常識の範囲内」で判断するしかないのです。

 

気を付けるべき点

源泉徴収の必要がない、すなわち所得税が非課税となるようにするためには、次の点に注意しなければなりません。

 

  • 使用者が役員や使用人など雇用関係など一定の関係がある人に対して支給するものであること
  • 「社会通念上相当と認められる」慶弔ごとに際して支給されるものであること
  • 支給金額が「社会通念上相当と認められる」金額であること
  • 対象となる従業員の全員を対象としたものであること(例えば一部の役員だけを特別扱いとするものではダメです。)

 

範囲や金額は社内の「慶弔金規定」などで定めておくと便利です。

慶弔関係は、対象となるのが従業員本人の場合や、配偶者に関する場合や、親戚に関する場合など、いくつものケースが考えられるので、あらかじめ社内で規定を作成しておけばよいでしょう。

 

課税された場合のリスク

祝い金や見舞金が「社会通念上相当と認められる」範囲を超えると判断された場合には、その支給額の「全額」が所得税の課税対象となります。

常識的な金額を差し引いた残額に課税されるわけではありません。

また、会社側では、役員に対する支給が否認された場合には、法人税法上の役員報酬の損金不算入が適用されるケースも考えられます。

そのほか、ペナルティー的な附帯税も課されることとなります。

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令または経験などをもとに記載したものです。法改正などにより記載内容に相違が生じる可能性があります。

記事中の意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては個別具体的な内容をお近くの税理士にご相談くださいますようお願い申し上げます。