未成工事支出金に含める管理職等の給与、事務部門と現場監督とを兼務している場合

管理職等の給与について、事務部門と現場監督とを兼務している場合はどのように処理するのか

設立して間もない会社や人数的規模が中小規模である会社においては、管理職が事務部門と工事現場の現場監督を兼務している状態があるかもしれません。

このような場合に、管理職の給与を一般管理費である事務職員の給与として処理するのか、期末の未成工事支出金に管理職の給与を含めて処理するのかについて、見てみましょう。

 

現場監督部分の給与は工事原価に含まれる

現場監督の給与は工事原価に含まれる労務費として取り扱うので、期末の未成工事支出金には、通常の現場作業員の給与のほかに、現場監督の給与についても計上することが必要となってきます。

その現場監督が、たとえ管理職であって、事務部門と兼務していた場合であっても、現場監督部分の給与については未成工事支出金に配賦すべき労務費として取り扱わなければなりません。

 

複数の工事にかかわっている場合

複数の工事にかかわっている場合には、未成工事支出金に対応した労務費を各工事に配賦しなければなりません。

その配賦の計算においては、作業日報などに従って各工事現場に対する労務の割合が計算できるような管理体制を整えておくことが必要となります。

 

給与のほかに法定福利費なども

給与ばかりではなく、賞与、諸手当、法定福利費についても上記と同様に、未成工事支出金を正しく計算しなければなりません。

 

使用人兼務役員の場合はどうすべきか

管理職においては、事務部門と工事現場の現場監督を兼務していれば、現場監督部分は工事原価の労務費として取り扱うこととなりますが、

使用人兼務役員の場合については、どのように考えればよいでしょうか。

 

使用人兼務役員の場合には、使用人部分の報酬は他の従業員の給与と同様に考えることとなります。

したがって、使用人部分について、管理職と同様に、もしも事務部門と工事現場の現場監督を兼務しているのであれば、現場監督部分は工事原価の労務費として取り扱うこととなります。

 

まとめ

  • 管理職が事務部門と現場監督とを兼務している場合の現場監督部分の給与については、未成工事支出金に配賦すべき労務費として取り扱う。
  • 複数の工事にかかわっている場合には、その労務費を各工事に適正に配賦する。
  • 使用人兼務役員の使用人部分についても管理職の給与と同様に取り扱う。

 

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※この記事は、作成時点の法令または経験などをもとに記載したものです。法改正などにより記載内容に相違が生じる可能性があります。

記事中の意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては個別具体的な内容をお近くの税理士にご相談くださいますようお願い申し上げます。