会社が従業員に対して行う生活資金の無利息貸付

会社が従業員に対して行う生活費の無利息貸付

従業員やそのご家族が災害に遭ったとか、疫病に罹ったなどにより、臨時的に多額の生活資金を必要とすることとなった場合に、会社が、その従業員に対して生活費の貸付を行うことも、その対象や程度によってはあり得ることと思います。

このような場合に、生活費の貸付を会社が「無利息」で行うことにより、その従業員が受ける経済的利益についての源泉徴収はどのようになるのかを、見てみましょう。

 

従業員に対する貸付のうち一定のものは課税されない

会社が、その役員や使用人に対して金銭を無利息または一定の低い利息で貸し付けたことにより、その役員や使用人が経済的利益を受けるとしても、

それが次のようなものである場合には、課税しなくて差し支えない(源泉徴収しなくてよい)とされています。

 

災害や疾病などで、一時的に多額の生活費を必要としている場合

災害や疾病などにより、臨時的に多額な生活資金を要することとなった役員または使用人に対し、その生活資金に充てるために貸し付けた金額について、返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける経済的利益は、課税しなくて差し支えない。

 

合理的な貸付利率による貸し付けの場合

会社が役員または使用人に貸し付けた金額について、その会社の借入金の平均調達金利(例えば、前期の平均的な実績値による)など合理的と認められる貸付利率を定めて、これにより利息を徴している場合に生じる経済的利益は、課税しなくて差し支えない。

 

経済的利益の額が少額である場合

上記以外の貸付金につき受ける経済的利益で、1年間における経済的利益の額が5,000円以下のものは、課税しなくて差し支えない。

 

結論

災害や疾病などにより、臨時的に多額の生活資金を必要とすることとなった従業員に対して行う無利息貸付については、課税しなくて差し支えないということです。

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。