出向者に支払う給与の源泉徴収義務者
出向者に支払う給与の源泉徴収義務者
子会社に出向した社員に対して支払う給与を、親会社のほうからその社員本人に支払うこととなっているため、
子会社が負担する部分の給与を親会社に対して、負担金として支出することがあります。
このようなときに、一般的には、親会社のほうでは、子会社から受け入れた負担金に、子会社の給与と親会社の給与の較差を補填する部分を加算するなどの給与支給条件の調整を行ったうえで、その社員に給与を支払うこととなるのですが、
このような場合に、その出向社員の給与に対する源泉徴収は、
子会社側で行うこととなるのか、または親会社側で行うこととなるのか、について見てみましょう。
親会社がまとめて給与を支払うケースでは、親会社が源泉徴収を行う
上記のように、親会社の社員が子会社に出向した場合において、
その出向社員に対する給与を親会社が支払うこととしていることから、子会社が負担金を親会社に支出したときは、
その負担金の額は、子会社において、その出向者に対する給与として取り扱います。
ここで、源泉徴収については、子会社が給与を親会社に支払い、親会社からその出向社員本人に対して給与を支払うこととしているときは、
子会社側では、その出向者に対する給与については源泉徴収の必要がありません。
給与の名目であろうが、負担金の名目であろうが、経営指導料の名目であろうが同様で、このようなケースでは、子会社側には源泉徴収の必要がないこととなります。
源泉徴収を行う必要があるのは、出向者に対して給与の支払いを行う親会社側となります。
タイミングとしては、子会社から受け入れた負担金に、子会社の給与と親会社の給与の較差を補填する部分を加算するなどして、
親会社がその出向者本人に対してまとめて給与を支給するその時に、源泉徴収を行うこととなります。
仮に、子会社と親会社がそれぞれ給与を支払う場合には、それぞれが源泉徴収を行う
もし仮に、子会社側で負担する給与の金額を、子会社が出向者に対して直接支払っており、
また親会社側としては、子会社の給与と親会社の給与の較差を補填する部分のみを、出向者に対して直接支払っているような場合には、
子会社側、親会社側のそれぞれで源泉徴収を行うこととなります。
結局のところ、出向者本人に対して直接支払う者が、その支払い時に源泉徴収を行うということとなります。
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