市町村などから委嘱を受けたときの委員報酬は給与所得

市町村などから委嘱を受けたときの委員報酬

市町村などから委嘱を受けて、年に数回の会議に委員として出席することにより、市町村などから委員報酬を受け取ることがあります。

委員報酬規程とか役員等報酬規程などで、たとえば日額10,315円からで年間最大いくらまで、といったようなことが決められていたりするのですが、

このように、委員として受け取る報酬はどのような所得に分類されるのか、また源泉徴収はどのようになっているのかについて、見てみましょう。

 

 

委員会の委員に対する報酬は給与

結論としては、国や地方公共団体の各種委員会(審議会、調査会、協議会等の名称のものを含みます。)の委員に対する謝金、手当等の報酬は、原則として給与等となっています。

雇用関係がないのに給与等とされることに疑問が生じるかもしれませんが、委員会や協議会などに出席している間は、時間的な拘束も受けることから、原則として給与等になると考えられているようです。

 

 

給与からは源泉徴収される

市町村などから委嘱を受けて委員として会議に出席したことによる委員報酬が給与等となるということは、

その給与等についてその支払いの際に源泉徴収がされることとなります。

 

 

源泉徴収は乙欄にて

委員報酬に対する源泉徴収は、基本的には乙欄にて行われます。

たとえば、委員会への出席1回に対して10,315円が支給されて、そこから源泉徴収税額315円を差し引き、残りの10,000円がキリ良く支給される例であれば、

月額表の乙欄(その月の社会保険料等控除後の給与等の金額の3.063%に相当する金額)で源泉徴収税額の315円が計算されています。

 

委員報酬をもらう側にとっては、会議1回の出席ということなので、日額表の乙欄(あるいは丙欄)にて源泉徴収税額が計算されるのではと思いきや、

委員報酬規程とか役員等報酬規程などで、月額報酬はいくらと決められており、月額表の乙欄で計算されることとなっています。

 

しかし一方で、日額表の乙欄で計算されている委員報酬も目にすることがあります。

日額表だと、仮に10,000円の委員報酬であるならば、源泉徴収税額は1,800円にもなりますね。

日額表の乙欄で計算される委員報酬であるならば、

たとえば、令和〇年〇月〇日開催の第○回○○協議会の委員報酬

といったように、より日額であることが具体的になっていることが多いのではないでしょうか。

 

このように月額表の乙欄で源泉徴収税額が計算されずに、日額表の乙欄で源泉徴収されるケースも見かけたりするのですが、

結局は、契約や規程などにより、どのように委員報酬が取り決められているのかによるということでしょう。

(とはいえ、規程どおりにになっていないケースも目にすることがありますが。)

 

 

源泉徴収が不要となる場合

給与等とされる委員報酬ですが、源泉徴収が不要となる場合があります。

委員報酬が、年間で10,000円以下の場合です。

 

委員会を設置した機関から委員報酬以外に支払われる給与等がなくて、かつ、委員報酬の年間の支給額が10,000円以下であるものについては、源泉徴収しなくてもよいとされているのですが、

この場合、年間の支給額が10,000円以下であるかどうかは、その所属する各種委員会ごとに判定されます。

 

 

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※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。