一部を未払にして賞与時にまとめて支給する役員給与
一部を未払にしておいた役員給与をまとめて支払う場合
たとえば、定期同額給与として毎月100万円の役員給与を計上しているが、実際に毎月支払う金額は50万円に抑えたうえで、
従業員の賞与時期に合わせるような形でその残り部分(積み立てた未払金部分)をまとめて支払うようにしている役員給与について、
それが損金に算入することが認められるかどうか、見てみましょう。
定期同額給与に該当しない
上記のように、毎月100万円の役員給与を計上しているが、実際に毎月支払う金額は50万円に抑え、
従業員の賞与時期(夏・冬)に合わせるような形で積み立てた未払金部分をまとめて支払う役員給与は、損金不算入とされます。
損金算入が認められない理由
従業員の賞与時期(夏・冬)に合わせるような形で積み立てた未払金部分をまとめて支払う役員給与が損金不算入とされる理由としていくつか挙げられます。
たとえば、賞与時期(夏・冬)に合わせるような形で支払っていることから、単なる支給時期の調整をしたことであり役員給与の金額の一部について未払とする特段の事情(資金繰り困難)などが特に存在しないと考えられること、また、
従業員の賞与時期(夏・冬)に合わせるような形で支払っていることから、本来なら役員賞与として支給すべきものを定期同額の役員給与のなかに紛れ込まして、経理上形式的に定期同額の役員給与の形をとったに過ぎないと考えられること、臨時改定事由にも該当しないことから、損金算入が認められないこととなります。
賞与時に支払う場合には事前確定届出給与にて対応
上記のように、従業員の賞与時期(夏・冬)に合わせるような形で役員給与の支給を行いたい場合には、
あらかじめ所轄税務署長に届出書を提出して、
事前確定届出給与の取り扱いとすることにより、損金算入とすることができます。
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※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。
また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。