自分事として考えるように
税理士として独立する前、
会社で働いていたころ、
当初僕は会議の場があまり好きにはなれませんでした。
色々な会議がありましたが、
たとえば、
一定の管理職以上が出席する会議とか、
ある職種や部門を対象とした会議とか。
その会議の場では、
ときどき、
その会議を取り仕切るそのときどきの「長」が、
出席者に対して叱咤する時間があったりもします。
毎回そのようなことがあるわけではなかったのですが、
誰かがその対象となって
叱られたり、議論になったりする時間を共有するのを
僕は苦手としていました。
僕が出席者一同の前で叱られたり議論の対象となるようなことは
かなり少なかったのですが、
自分が対象となるか、
対象とならないかにかかわらず、
誰かがその対象となるような形で、
議論になっているような場にいることを
僕は苦手としていました。
これは、まだ、
その会議の時間を、
時計の針を横目にしつつ
ただ単にうまくやり過ごそうと考えていた初期のころの話です。
次第に、
僕とは、部門や仕事内容、立場などがぜんぜん違う誰かが
とある件の対象として議論されていることにも
興味が出てくるようになりました。
興味があるというとなんか変ですが、
要は自分ごととしてとらえるようになってきたというのでしょうか。
横展開というのでしょうか。
もしも自分だったら
このように説明したい、
こんな言い訳もしておきたい、
今後はこう改善していきたい、
最終このラインまでコミットしたい、
などなど
僕はその会議の場では、
叱るほうの立場でも、
叱られるほうの対象でもなかったのですが、
けれども、
自分ごととして考えるようになってきたのだと思います。
僕は長く経理職として仕事をしていたので、
たとえば、
生産技術とか、
設備メンテナンスのこととか、
取引先に対する営業展開のことは
一見他人事のように思えるのですが、
何かコトが発生したときの状況を確認していくと
根底では、
結構自分事であったりすることが多いのが
分かりました。
根本的にはよく似ているな、と。
そして、
今回はたまたま別のところで議論になっているけれど、
横展開してみると、
経理である自分の回りにも
同じようなことが発生していないだろうか、
とか、
同じような事態が発生しないように
今のうちに改善できることは何だろうか、
とか、
将来自分が「長」になったときには、
どのような視点や態度が必要だろうか、
とか、
考えたりしたものでした。
もちろん
これは、
僕が組織に属していたときのことなので、
独立した今となっては、
残念ながら、
もう僕の近くには
だれも僕を叱ってくれる人はいません。
議論する相手もいません。
同じ組織の一員として
僕が誰かを指導したりすることもありません。
だからというか、
今では
ネット相手に、
ニュースなど何かの事件を見聞きしたときには、
自分としてはどうだろう、
気を付けるべきところは何だろう、
と思うことがときどきあります。
べつに僕は
政治家でも有名人でも何でもありませんが、
自分事として考えたり行動できるように
しておきたいと思っています。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。