返還不要となる敷金などを「支払った」場合の事業者の取り扱い

敷金などを支払った事業者の取り扱い

敷金などを支払ったときの取り扱い

不動産の賃借に際して、敷金・保証金・権利金などを支払った事業者については、基本的には、「敷金」や「差入保証金」勘定などを使って資産計上します。

 

退去時に一部修繕費に充てられて残額が返金されたときの取り扱い

退去時に敷金の一部が修繕費に充てられたときには、その一部の金額は「敷金」勘定から「修繕費」に振り替えられることとなります。

<仕訳例>

敷金50万円のうち、20万円が修繕費に充てられて残額が返金された。

借方 金額(円) 貸方 金額(円)
現金預金 300,000 敷金 300,000
修繕費 200,000 敷金 200,000

 

はじめから返還されない敷金がある場合の取り扱い

不動産を賃借する際に支出する敷金・権利金などで、その支出の効果が通常1年以上に及ぶ費用を「繰延資産」といいます。

繰延資産は支出した年に一括して経費に計上せず、「長期前払費用」勘定などで資産計上して数年にわたって償却していきます。(ただし、20万円未満の少額の繰延資産は支出時に経費処理することができます。)

 

繰延資産の償却年数

敷金・権利金の額がその建物の建築費の大部分に相当し、かつ建物の存続期間中賃借できるものであるとき

その建物の耐用年数の70%の年数で償却して、各年の経費に計上することとなります。

 

敷金・権利金が借家権として転売できるものであるとき

その建物の見積もり残存耐用年数の70%の年数で償却して、各年の経費に計上することとなります。

 

敷金・権利金が上記以外のものであるとき

5年で償却して、各年の経費に計上することとなります。

ただし、賃借期間が5年未満であり、かつ契約更新に際して再度権利金等を支払うものについてはその賃借期間で償却して各年の経費に計上することとなります。

 

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