大雨洪水などの災害見舞金を全従業員に一律支給した場合

大雨洪水などの災害見舞金を全従業員に一律支給した場合

ここ毎年のように、日本各地で激甚災害指定となるような災害に見舞われていますが、

災害が発生した地域に勤務する全従業員に対して、被害の有無にかかわらず、見舞金を一律支給した場合の所得税の課税関係(源泉が必要かどうか)について、見てみましょう。

 

非課税とされる見舞金の範囲

従業員が使用者から支給を受ける見舞金のうち次に掲げる要件のいずれも満たすものは、所得税の非課税所得に該当することとされています。

(1) その見舞金が「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの」であること

(2) その見舞金の支給額が「社会通念上相当」であること

(3) その見舞金が「役務の対価たる性質を有していない」こと

 

 

被害の有無にかかわらず一律支給される見舞金への給与課税

災害が発生した地域に勤務する全従業員に対して一律支給される見舞金については、一見すると非課税とされる見舞金に相当するものと考える余地がないとも言い切れませんが、

上記の「非課税とされる見舞金の範囲」で述べたとおり、その見舞金が「心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの」であることという要件を満たしておりません。

 

見舞金ではあるものの、従業員が被害を受けていようが、受けていまいが、一律に支給される見舞金については、会社から従業員に支給される一種の手当とも考えられます。

したがって、非課税の見舞金としては取り扱わず、支給を受けた従業員の給与所得として所得税等を源泉徴収することが必要となってきます。

 

 

災害により被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。