不動産所得における収入の計上日

賃料などを不動産所得の総収入金額に算入する時期には、次のとおり幾つかの取り決めがあります。

契約などにより支払日が定められている場合

契約や慣習などによって、賃貸料の支払日が定められている場合には、その定められている支払日に収入を計上します。

 

支払日が定められていない場合

賃貸料の支払日が定められていない場合には、実際に支払いを受けた日に収入を計上します。

ただし、請求払いとなっているものについては、請求日に収入を計上します。

 

賃料の値上げについて係争等があった場合

賃料の値上げについて裁判となり、借主から供託されたときには、その元々の契約や取り決めが上述のいずれかの場合に応じて、それぞれに定める日に収入金額を計上します。

ただし、供託金額を超える部分について、判決・和解等により賃貸料が発生すると決まったときには、その超える部分については、判決・和解等の日に収入金額を計上することとなります。

 

賃料が減額・返還となった場合

地価の値下がり等を理由に賃借人から賃借料の減額の訴えが出されて、判決・和解等により過去に遡って返還することとなった場合には、事業的規模であるか事業的規模でないかにより取り扱いが異なります。

 

事業的規模である場合

不動産所得が事業的規模である場合には、減額により返還することとなった金額を必要経費に算入します。

 

事業的規模でない場合

不動産所得が事業的規模でない場合には、減額により返還することとなった金額を、過去に遡って、収入金額がなかったものとして取り扱います。この場合、判決・和解等の日から2か月以内に更正の請求をしなければなりません。

 

権利金や礼金を受け取った場合

不動産を賃貸することにより一時に受ける権利金や礼金については、不動産の引き渡しをするものについては引き渡しを行った日、引き渡しをしないモノについては契約の効力の発生日に収入金額を計上します。

 

手数料等を受け取った場合

不動産を賃貸するにあたって発生する名義書換料や頭金などの手数料についても、権利金や礼金と同様の時期に収入金額を計上することとなります。

 

敷金を受け取った場合

敷金や保証金は一般的には預り金として取り扱い、収入には計上しません。

しかし、敷金や保証金であってもそれが返還を要しないものである場合には、返還を要しないことが確定した日にその金額を収入に計上することとなります。

 

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。