事業用の車をローンで購入したときの必要経費
事業用の車をローンで購入したときの必要経費
個人事業者の人には、起業してから自家用車を事業用に使用することや、自家用車とは別に新たに事業用として車を購入することもあると思います。
また、使用年数、走行距離によって劣化が進んだことから、新たな車に更新することもあるでしょう。
資金繰りの都合上、車の購入にはローン(借入)を活用することもあると思います。
このように、事業の遂行上なかなか切り離すことのできない車をローンで購入した場合の必要経費はどのようになるのかについて、見てみましょう。
減価償却費の必要経費算入
車を現金で購入した場合でもローンで購入した場合でも、どちらの場合であってもその取得価額をもとに事業所得等の必要経費に算入する減価償却の計算を行います。
減価償却の方法として、一般的には定額法か定率法か選定をすることが可能ですが、選定を行わない場合には法定の償却方法により減価償却費の計算を行うこととなります。
なお、所得税においては、法定償却方法は定額法となっています。
ローン(借入)の返済
ローンの元本部分
ローンの返済については、元本返済部分は必要経費には算入できません。しかし元本部分については減価償却を通じて事業所得等の必要経費に算入されていると考えればよいでしょう。
ローンの金利、手数料部分
ローンの金利や手数料の部分については必要経費に算入することとなります。
返済金額のうちに占めるローン金利、手数料部分をローン会社から送付されてくる返済予定表などに従って、事業所得等の必要経費に算入します。
事業供用割合を乗じる
必要経費に算入する金額は、
- 減価償却費 × 事業供用割合
- ローン金利、手数料 × 事業供用割合
で計算します。
事業とは関係のない、いわゆる家事用の部分については必要経費に算入することはできませんので、この事業供用割合を乗じることによって家事用部分を必要経費の計算から除外することとなります。
事業でしか使用しないのであれば、事業供用割合は100%となり、全額が必要経費に算入されます。
事業供用割合は状況に応じて変化する場合も
たとえば使用開始時の状況で事業供用割合を80%としていても、その後に使用状況が変わればそれに応じて事業供用割合も変わることがあります。
事業供用割合は数か月間の実績をとって計算するなど、合理的と考えられる方法で算出しますが、その後の状況の変化に応じて定期的に見直すことが必要と考えます。
まとめ
- 事業用の車をローンで購入した場合もで現金で購入した場合でも、減価償却費を必要経費に算入する。
- 事業用のローン(借入)金利、手数料は必要経費に算入する。
- 減価償却費、ローン金利や手数料に事業供用割合を乗じて必要経費算入額を計算する。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
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