寄付金の証明書が同一生計親族宛てに届いているが、自分の寄付金控除にしても良いか

寄附金控除とは

国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対する寄附金を「特定寄附金」といいますが、納税者がこの「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。

これを「寄附金控除」といいます。

ちなみに、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金、公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択することができます。

確定申告をすることによって、特定寄附金に関する部分については、基本的に、所得税や復興特別所得税が還付されるケースがあると考えられます。

 

寄附金控除の金額はいくらか

次の①または②のいずれか低い金額 - 2,000円 = 寄附金控除額

①その年に支出した特定寄附金の額の合計額

②その年の総所得金額等(※)の40%相当額

 

(※)「総所得金額等」とは、次の金額の合計額をいいます。

  • 純損失、雑損失、その他の損失の繰越控除をした後の総所得金額
  • 特別控除をする前の分離課税の長期・短期譲渡所得の金額
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額
  • 上場株式等に係る配当所得の金額
  • 先物取引に係る雑所得等の金額
  • 山林所得金額
  • 退職所得金額

 

 

寄附金控除を受けるための手続

寄附金控除を受けるためには、寄附金控除に関する事項を記載した確定申告書に次の書類を添付、または、確定申告書を提出する際に提示しなければなりません。

  • 寄附した団体などから交付を受けた寄附金の受領証(領収書)、または、電磁的記録印刷書面(電子証明書に記録された情報の内容と、その内容が記録された二次元コードが付された出力書面)など
  • 上記のほか、必要に応じ、特定寄附金であることを証明するために必要な一定の書類

 

寄付金の証明書が同一生計親族宛てに届いているが、自分の寄付金控除にしても良いか

さて、寄付金の証明書が同一生計親族宛てに届いているが、これを自分の寄付金控除に使用しても良いかが問題です。

結論としては、

寄附金控除は、本人が支払った寄附金についてしか受けることができません。

同一生計親族が支払った特定寄附金の証明書を、自分の寄付金控除のために使用してはいけません。

 

あくまでも、寄付金控除は「納税者」が支出した特定寄附金のみが対象となります。

「自己または自己と生計を一にする親族」が支出した特定寄附金が寄付金控除の対象になるというものではございませんので、ご注意ください。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令または経験などをもとに記載したものです。法改正などにより記載内容に相違が生じる可能性があります。

記事中の意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては個別具体的な内容をお近くの税理士にご相談くださいますようお願い申し上げます。