心臓病患者が医師の指示等に基づいて購入・賃借するAEDにかかる費用の医療費控除

心臓病患者が医師の指示等に基づいて購入・賃借するAEDにかかる費用

AED(自動体外式除細動器)は、非医療従事者についても使用が可能となったことにより、多くの人が集まる空港やスポーツ関連施設、マンション、オフィスにも普及が進んでいます。

多くの人が出入りするフロントなどの目の届きやすいところに設置されていることが多いでしょう。

 

このAEDは誰でも購入したりリース契約をしたりすることが可能となっていますが、

病院外で心室細動が発症した際に、随伴する家族や介護者等が救命のためAEDを使用する目的で、医師の指示・処方に基づきAEDを購入しまたは賃借することにより、心臓病患者の家庭に常備等するケースも増えてきています。

このように、心臓病患者が医師の指示等に基づいて購入または賃借するAEDにかかる費用が医療費控除の対象となるかどうか、見てみましょう。

 

心臓病患者のAEDにかかる費用は医療費控除の対象

心臓病患者が購入または賃借するAEDについては、次の理由から、その費用の支出が医師等による診療等を受けるため直接必要なものであると考えられますので、心臓病患者が購入または賃借するAEDの購入費用または賃借料については、医療費控除の対象となる医療費に該当するものと考えられます。

(1) 心室細動が発症した場合、電気的除細動が唯一の効果的治療法であること。

(2) 心臓病患者については、心室細動が発症する可能性が高いことから、病院外で同症状が発症した際に、随伴する家族や介護者等が救命のためAEDを使用する目的で、医師の指示・処方に基づきAEDを購入又は賃借するものであること。

(3) AEDを用いた除細動は、医療行為に該当するものであること。

(4) 心臓ペースメーカーの代金及び同メーカーの電池の代金については、医師等による診療等を受けるため直接必要な医療用器具等の購入に該当し、医療費控除の対象となっていること。

 

なお、心臓病患者がAEDの購入費用またま賃借料について医療費控除を受けるためには、AEDの購入またま賃借が医師の指示・処方に基づくものであることを明らかにする書類(証明書、診断書その他これらに類する書類)が必要になると考えられます。(国税庁文書回答)

 

この書類については、「医療費控除の明細書」に一定の事項を記載することにより、確定申告書への添付や、確定申告書の提出の際の提示は省略となっています。

ただし、5年間の自宅等での保管が必要となっています。

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。