過年分の源泉徴収漏れの給与についての税額の再計算の方法
過年分の源泉徴収漏れの給与についての税額の再計算の方法
人件費の資料の確認をし直したことなどにより、過年分の給与について源泉徴収漏れ(課税漏れ)していたことが判明したときには、どのように対処すればよいのでしょうか。
毎月の源泉徴収を計算しなおしたうえで年末調整の再計算を行わなければならないのでしょうか。
再計算の方法について、見てみましょう。
毎月の計算のやり直しは必要ない
過年分の源泉徴収漏れ(課税漏れ)の給与があったことが判明したときには、毎月の源泉徴収まで計算し直す必要はありません。
毎月の計算をし直すことなく、年末調整の再計算を行っても差し支えないことになっています。
課税漏れの給与に対する税額を求める方法
既に課税された給与と課税漏れとなっている給与との合計額に対する年税額から、既に課税された給与に対する年税額を控除すると、課税漏れとなっている給与に対する年税額が求められます。
このように、全体の正しい給与総額に対する税額から課税済みの給与に対する税額を控除するといった、全体からの差し引きで課税漏れの給与に対する税額を求めるというような簡易的な計算をしても差し支えないこととなっております。
延滞税や不納付加算税の計算の基礎となる税額
延滞税や不納付加算税は、課税漏れの給与に対する税額に一定の税率を乗じて計算します。(端数調整等あり。)
これは、課税漏れの給与に対する税額が、延滞税や不納付加算税の計算の基礎となっているということです。
上記のように簡便的な方法で年末調整の再計算をしたときの延滞税や不納付加算税の計算の基礎となる税額は、
徴収すべき税額に、その年分の課税漏れ給与の総額のうちに各月ごとの課税漏れ給与の額の占める割合を乗じて求めた額とします。
つまり、計算の基礎となる税額全体を各月の課税漏れ給与額の比で按分して計算することとなっています。
毎月の計算をやり直ししなければならない場合
元々、給与の収入金額が2000万円を超えている者や、給与所得者の扶養控除等申告書を提出していない者などについては年末調整の対象となっていないので、年末調整の再計算により不足の税額を求めることができません。
年末調整の再計算をしない者に関しては、毎月の計算をし直さなければならないこととなります。
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※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。
また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。