会社が記念賞与の支給に際して源泉徴収税額を負担した場合の源泉徴収税額の計算
会社が記念賞与の支給に際して源泉徴収税額を負担した場合の源泉徴収税額の計算
会社が創立何十周年の記念や過去最高利益を記念するなどして、社員に対して手取り額で一定額の記念賞与を支給することとなった場合において、
その記念賞与にかかる源泉徴収税額を会社で負担するようなこととなったときには、源泉徴収税額をどのように計算すればよいのでしょうか。
手取り額で記念賞与の支給があった場合の源泉徴収税額の計算方法について、見てみましょう。
会社が負担することとなる源泉徴収税額相当額の計算方法
会社が負担することとなる源泉徴収税額相当額の計算方法は次のとおりとなっています。
<計算式>
会社が負担することとなる源泉徴収税額
= 手取り額 × 賞与の金額に乗ずべき率 ÷ (100 - 賞与の金額に乗ずべき率)
賞与の金額に乗ずべき率
賞与の金額に乗ずべき率とは、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に定める率をいいます。
この率は基本的に各人ごとに、次のようにして求めます。
(1) 前月の給与から社会保険料等を差し引く。
(2) (1)の金額と扶養親族等の数を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめる。
このような手順で率(賞与の金額に乗ずべき率)を求めます。
会社が負担することとなる源泉徴収税額相当額の計算例
たとえば、記念賞与の金額が30万円で、賞与の金額に乗ずべき率が20.420%である人の場合には、
会社が負担すべき源泉徴収税額は、次のようになります。
<計算例>
300,000円 × 20.420 ÷ (100 - 20.420)
= 76,979円
賞与の金額に乗ずべき率は、給与所得者の扶養控除等申告書の提出の有無、前月の給与等の金額、前月の給与等から控除される社会保険料等の金額、扶養親族等の数などによって各人それぞれ個別に求めることになるので、会社が負担すべき源泉徴収税額についても各人それぞれ異なるものして計算します。
手取り額と源泉徴収税額相当額の合計額を賞与支給額とする
会社が社員に対して手取り額で一定額の記念賞与を支給することとなった場合において、その記念賞与にかかる源泉徴収税額を会社で負担するようなこととなったときには、
法人税法上は、手取り額とその源泉徴収税額相当額を合計した金額を記念賞与の額として取り扱うこととなります。
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※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。
また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。