事業者が副業で行う不動産貸付も消費税の課税の対象か

事業者が副業で行う不動産貸付も消費税の課税の対象か

消費税の課税事業者である事業所得者(個人事業者)が、副業で不動産貸付(店舗の貸付など)を行って毎月一定の収入を得ているような場合に、

その副業は本来の「事業として」ではないということで消費税の課税の対象とはならないのか、またはその副業も「事業として」消費税の課税の対象となるのかについて、見てみましょう。

 

 

「事業として」とは、反復、継続、独立して行われること

消費税の課税の対象は、国内において事業者が「事業として」対価を得て行う資産の譲渡等および輸入取引とされています。

ここで、「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡、貸付け、役務の提供が、反復、継続、独立して行われることをいいます。

 

したがって、冒頭の、消費税の課税事業者である個人事業者が行っている店舗の貸し付けが、消費税の課税の対象となるか、ならないかは、

それが反復、継続、独立して行われているのか、行われていないのかによって判断されることとなります。

そして、この例では、店舗の貸し付けが、反復、継続、独立して行われていると考えられることから、

たとえ副業のように規模が小さいものであったとしても、規模の大小にかかわらず、

「事業として」対価を得て行う資産の譲渡等に該当し、消費税の課税の対象となります。

 

これは、所得税における所得の区分、すなわちそれが事業所得なのか、不動産所得なのかにかかわらずに、判断することとなります。

 

 

「事業として」、反復、継続、独立して行われていないものの例

逆に、反復、継続、独立して行われていないものの代表例としては、

次のようなものが挙げられます。

  • たまたま趣味に関することについて講演を依頼されて講演料をもらった
  • たまたま自分の自家用車を手放すことがあって収入があった

 

このような収入があったとしても、これは「事業として」反復、継続、独立して行われているとは言えませんので、

消費税の課税の対象とはなりません。

 

 

消費税の課税の対象となる資産の譲渡等には、その性質上事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡等も含まれるとされていますが、

趣味に関することであれば事業とは無関係なので「事業として」には該当しませんし、

生活の用に供している資産を譲渡するような場合も「事業として」には該当しないので、

いずれも消費税の課税の対象とはならないとされています。

 

ちなみに、法人については、事業を行う目的をもって設立されたものですので、

その行う活動は、すべて「事業として」となります。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。