個人事業者が家族名義の車を事業用に使ったときの経費
個人事業者が、家族名義の車を事業用に使ったとき
たとえば、夫にとっては妻、妻にとっては夫など、同一生計の親族(家族)の名義で購入した車を借りるようなかたちで、
個人事業者が事業用の車として使用した場合に、
その車にかかる費用を、事業の経費として取り扱うことができるのかどうかという疑問が生じることがあります。
今回は、このような家族名義の車にかかる費用が、個人事業者の必要経費にできるのかどうかについて、見てみましょう。
家族名義の車にかかる費用は必要経費にできる
同一生計の親族(家族)の名義で購入した車を使わせてもらうようなかたちで、個人事業者が事業用の車として使用した場合には、
その車にかかる費用を必要経費にすることができます。
車にかかる費用としては次のようなものが考えられるでしょう。
- 減価償却費
- ガソリン代
- 自動車税
- 車検の費用
- バッテリーなどの修理費
- タイヤやオイルの交換費用
- 自動車保険
- 洗車代
など
事業供用割合にも気を付ける
事業用として使用するだけではなく、普段の生活(家事用)にも使用する場合には、
事業供用割合に気を付けなければなりません。
もし、その車を年間つうじて事業にしか使わないことが明らかなのであれば、
車にかかるこれらの費用の100%が事業のための必要経費と言えますが、
そうでないのであれば、事業に使う合理的な割合でもって必要経費に算入する金額を按分計算することになります。
家族に車の使用料金を払ったら?
同一生計の家族に支払う車の使用料金は、必要経費にすることができません。
それと同時に、その使用料金を受け取った家族の収入にもなりません。
もしこれが無条件で認められると、所得の調整が可能になってしまいます。
家族間のお金の動きは、いわば同じ財布の中での資金移動みたいなものなので、
家族間の車の利用料金の支払いに関しては、お互いの、必要経費にも、収入にもならないと考えればよいでしょう。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。
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