共働き夫婦や青色事業専従者である場合の医療費控除

共働き夫婦である場合や、青色事業専従者の医療費を負担したときの医療費控除

共働き夫婦の一方の配偶者の医療費を、もう一方の配偶者が負担したとき、

たとえば、共働き夫婦の妻の医療費を夫が負担したようなときに、その妻の医療費を夫の医療費控除の対象とできるのでしょうか。

 

また、配偶者などの親族が青色事業専従者として働いている場合に、事業主が負担した青色事業専従者の医療費を

医療費控除の対象とできるのかどうかについて、見てみましょう。

 

 

自己または自己と同一生計の配偶者その他の親族にかかる医療費かどうか

医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を支払った場合に適用するとされています。

この適用については、配偶者やその他の親族についての所得金額の要件は付されておりません。

 

したがって、冒頭の共働き夫婦のように、所得がある親族(妻)のために支払った医療費であったとしても、

たとえば、その親族(妻)が、医療費を支払った人(夫)と生計を一にしているときには、その医療費を支払った人(夫)の医療費控除の対象となります。

 

 

配偶者が青色事業専従者である場合に、事業主が医療費を負担した場合はどうか

医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を支払った場合に適用するとされています。

この適用については、配偶者やその他の親族が事業専従者ではないこと、といった要件は付与されておりません。

 

したがって、配偶者その他の親族が青色事業専従者であり、その医療費を事業主が負担した場合であっても、その事業主の医療費控除の対象となります。

 

 

親族とはどこまでの範囲をいうのか

医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族にかかる医療費を支払った場合に適用するとされていますが、

この親族の範囲は、6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます。

この親族の範囲で生計を一にしており、一定の要件を満たす医療費であるときには、親族にかかる医療費を医療費控除の対象とすることができます。

 

 

医療費は誰が支払えばよいか

自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族の医療費について、

まとめて医療費控除を受けるには、

通常は課税所得(税率)の一番高い人に医療費の負担を集中させると良いでしょう。

その人に医療費等の領収書が集中するようにすれば、税負担は全体として軽くなると考えます。

 

商売の状況によっては、主の税率が一番高いというわけではありませんので、

必ずしも事業主負担にしておけばいいというわけではないかもしれません。

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。