海外転勤者の住宅ローン控除と国内源泉所得
海外転勤者の住宅ローン控除
もともとは、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除等)の制度は、適用対象者が「居住者」に限られているため、
家屋の所有者の転勤先が国外となったことにより「非居住者」に該当することとなった場合には、
その非居住者である期間中については、住宅ローン控除の適用はできませんでした。(平成28年3月31日以前に住宅の取得等をした場合)
(なお、その後帰国して居住者となり、その家屋に居住する親族とともに年末まで引き続き居住の用に供した場合には、残存控除期間について、住宅ローン控除の適用を受けることはできます。)
しかし、制度の改正によって、平成28年4月1日以後に住宅の取得等をした場合には、家屋の所有者が居住者であるか非居住者であるかにかかわらず、
その者と生計を一にする親族がその家屋に年末まで引き続き居住していれば、住宅ローン控除の適用を受けることができるようになっております。
ただし、住宅ローン控除を受けるには、あくまでもその元となる所得税等が存在していることが前提となっています。
非居住者については、国内源泉所得について所得税を納めることとなっているのですが、
今回は、海外へ転勤して非居住者となった者の住宅ローン控除の取り扱い、そして国内源泉所得の例についても、見てみたいと思います。
非居住者の住宅ローン控除と国内源泉所得の例
海外への転勤等により居住の用に供することができなくなった場合でも、平成28年4月1日以後に住宅の取得等をした場合には、ほかの一定の要件を満たす限り、
住宅ローン控除の適用を受けることができます。
住宅ローン控除は、総合課税とされる国内源泉所得がある年分に適用を受けることができることになっております。
居住期間中の給与所得
たとえば、年の途中での海外単身赴任等なったことにより、その赴任直前までの国内の給与所得があったなら、
その年においては国内源泉所得があることになりますので、
たとえ非居住者となっていても、その国内源泉所得にかかる所得税等について、住宅ローン控除の適用を受けることができるということになります。
国内の賃貸不動産
また、国内に賃貸用不動産を所有していることにより、海外への転勤後も国内の不動産所得があるような場合も、国内源泉所得があることになりますので、
その国内源泉所得にかかる所得税等について、住宅ローン控除の適用を受けることができるようになっております。
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※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。
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