自社取扱商品を従業員に値引き販売したときの経済的利益
自社取扱商品を従業員に値引き販売したときの経済的利益
会社が従業員に対して、会社の取扱商品や製品等の値引販売をすることは広く行われていることと思います。
この値引き販売は会社からその従業員に対する経済的利益の供与に該当するのですが、
経済的利益の供与に該当するからといって必ずしも給与課税されるわけではありません。
会社が従業員に会社の取扱商品や製品等(有価証券や食事提供など一定のものを除きます。)の値引販売をすることによる経済的利益の供与で、次の要件のすべてに該当するものについては、給与課税しなくて差し支えないとされています。
課税されない経済的利益
1.値引販売する価額が、会社の取得した仕入価額や製造原価以上であって、かつ、「通常他に販売する価額」と比較して著しく低い価額でないこと。(通常の販売価額のおおむね70%未満でないこと。)
2.値引販売の値引率が、役員であっても一般社員であっても全従業員一律であるか、または、役職、地位、勤続年数等に応じて全体として合理的なバランスが保たれる範囲内の格差を設けて定められていること。
3.値引販売をする商品や製品の数量は、一般の消費者が自己の家事のために通常消費すると認められる程度のものであること。
通常他に販売する価額とは
通常他に販売する価額とは、その販売時点における次の価額をいいます。
- 卸売業者の場合・・・・卸売価額
- 小売業者の場合・・・・小売価額
- 製造業者の場合・・・・製造業者販売価額
まとめ
従業員のための自社取り扱い商品等の販売も、行きすぎると給与課税されるので次のルールの範囲内で行うようにしましょう。
- 原価以上の金額で販売すること
- 通常の販売価額の70%以上の金額で販売すること
- 役員だけ特別扱いにしたりしないこと
- 商売用として大量に販売したりしないこと
- 株など一定の商品の販売でないこと(別途ルールがあります。)
- 食事の支給でないこと(別途ルールがあります。)
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
※この記事は、作成時点の法令または経験などをもとに記載したものです。法改正などにより記載内容に相違が生じる可能性があります。
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