たとえ逆風の中であっても前進できる

僕が以前勤めていた会社の同期に誘われて、

西宮の浜で、

ヨットに乗せてもらったことがあります。

 

もう本当にずいぶんと前のはなしです。

 

彼は学生のときにヨット部に所属していたとのことで

自分のヨットを持っていました。

 

かっこいいですね。

 

自分のヨットを持っているだけでもかっこいいのですが、

そのヨットを操舵する姿がもっとかっこよかったです。

 

べつに彼のことをディスるつもりはないのですが、

ヨットを操舵しているときの彼は、

丘にいるときの彼とはまるで別人のようでした。

 

波が高い沖のほうまで出ていって無事に帰ってこれるんだろうか、とか、

こんな強い風の中、ほんとうに大丈夫なんだろうか、とか、

そのときは色々と心配もしましたが(同期よゴメン笑)、

無事にヨットハーバーまで帰ってこれたときには

ホッとしたものです。

すごい!という尊敬も。

 

 

ヨットって逆風の中でも風上に向かって前進するんですよね。

 

ヨットが風上へ向かう原理としては、帆を飛行機の翼に例えて説明されているものが多くあります。

 

飛行機の翼は上面が下面に比べてふくらんでいるのですが、

空気の流れの中にその翼があると、翼には揚力と呼ばれる上向きの力が作用するらしいです。

飛行機が空中に浮くことができるのは、機体の重量を支えることができるだけの揚力が翼に発生するからなんですね。

 

これは、ベルヌーイの定理とよばれていて、

機体が前に進むと、主翼の上の面を流れる空気が、下の面を流れる空気よりも速くすすむので、

主翼の上の面の空気圧のほうが下の面の空気圧よりも低くなって、

この圧力差によって翼に揚力が生じるようになっているんですね。

 

風を受けたヨットの帆も同じように揚力が生じるような格好になるのですが、

その揚力をベクトル2つに分解し、その一方の力(ベクトル)をヨットの船底にあるセンターボードで打ち消すことによって、前進する力(ベクトル)だけを残して、

その結果、ヨットは逆風の中でも風上に向かって前に進むことができるようになっているのです。(そういうことらしいです。)

 

このような原理でヨットが風上にむかって前進することができるのは、

向かい風に対してだいたい35~45度あたりの角度でいるときであって、

真向いの風に正面からそのまんま逆らっては進むことはできません。

だから目的地に向かっては、斜め前に進んでは、また反対側の斜め前に進むように

船体の方向転換を繰り返しながら、ジグザグ走行することで到達するようになっています。

 

 

なんだか、

ずらずらと逆風の中でもヨットが前進する原理を書いてしまいましたが、

 

なんのはなしかと申し上げれば、

このコロナ禍の逆風の中で前進するにも、

おなじような原理が使えるかな、ということです。

(もちろん、コロナ禍でなくても、ですが。)

 

まずは、

逆風だからといって諦める(風に流される)のではなく、

目的地に向かって前進する方法があるということ。

ここが一番の、重要なポイントですよね。

 

そして、

逆風にそのまんま真正面から逆らうのではなく

角度をつけるということ。

ビジネスでいえば、

従来とはやり方を変えてみるとか、

工夫してみる(ジグザグ走行)、など、

いろいろと言い換えることができると思います。

 

 

緊急事態宣言は先日、9月末で解除されはしましたが、

またしばらくすると冬がやって来ます。

どうなるのかわかりませんし、

べつに不安をあおるつもりは毛頭ありませんが、

先ずは感染対策、健康面、体調面の管理をしっかりと行いながら、

ビジネスのほうも、

たとえ逆風の中であったとしても、

ジグザグしながら目的地に向かって前進していきたいものだ、

と思っております。

 

 

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

 

逆風(環境)には負けないように、とのことで、書いてみました。

半分は、自分自身にむけて書いたようなものです。