マイナポイントが付与されたとき
マイナポイントが付与されたとき
マイナンバーカードとキャッシュレス決済を普及させるのを目的に、キャッシュレス決済でチャージまたは支払いをすれば、
最大5,000円分が「マイナポイント」として還元される制度があります。
チャージすれば即還元されるものから、決済してからポイント還元されるまでに時間を要するものまで様々ですが、
還元率はいずれも25%ということで、20,000円の支払いで5,000円分のマイナポイントを得ることができます。
お得感たっぷりですね。
付与期間は令和3年9月末までの予定(5,000万人の先着順)で実施されているとのことですが、すでにポイント還元は受けられたでしょうか。
マイナンバーカードの発行申し込みは令和3年3月末までらしいので、ポイントが欲しい方で発行申し込みがまだの方はお急ぎくださいね。
このポイント還元を受けたときの課税関係については国税庁HPにも掲載されていますが、今回こちらにもその課税関係について載せておこうと思います。
ポイントが付与された場合の所得税の課税関係
通常の値引きポイント
個人が、商品を購入する際に決済代金に応じて企業から付与されるポイントで、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられる場合には、
課税対象となる経済的利益には該当しないものとされており、原則として所得税の課税対象とはなりません。
抽選キャンペーン当選ポイント
ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして、臨時的、偶発的に取得したポイントについては、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとは考えられませんので、
そのポイントを使用した場合には、原則としてその使用したポイント相当額は使用した日の属する年分の一時所得の課税対象となります。
「マイナポイント」
マイナポイントについては、マイナンバーカードを取得し、IDを設定した個人がキャッシュレス決済サービスにおいてチャージなどを行った際に付与されるものですので、
通常の商取引における値引きとは認められておりません。
したがって、その経済的利益は一時所得として所得税の課税対象となります。
一時所得の金額の計算方法
一時所得の金額の計算方法は、次のとおりです。
<計算式>
一時所得の金額 =
一時所得の総収入金額 -(マイナス)その収入を得るために支出した金額 -(マイナス)一時所得の特別控除額(最高50万円)
マイナポイントくらいであれば最大で5,000円の還元であることから結果的に一時所得の金額は生じませんが、
ほかにもその年に一時所得となるものが生じていればマイナポイントも合算して考えなければなりません。
その結果、一時所得の収支が一時所得の特別控除額(最高50万円)を超えることとなったような場合には、
その超えた部分の金額は、2分の1をしたうえで、他の所得(事業所得など)と合算して総合課税(超過累進税率)により課税されることとなっています。
(ここでは給与所得者の申告不要制度は省略しております。)
一時所得とは(参考)
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
たとえば次のような所得が一時所得となります。
- 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
- 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
- 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
- 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
- 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。
また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。