事務所の机やイス、下駄箱を一括して購入したときの取得価額の判定
事務所の机やイス、下駄箱を一括して購入したときの「取得価額の判定」
期末が近づいてくると、決算の数値をある程度見込んで、期末までに費用化できるものであるならば、
ずいぶんと劣化していると思われるものを、この際に新品に取り替えようという話も出てくるかと思います。
たとえ購入時に一括費用化できなくても取り替えたいけど、購入時に一括で費用化できるなら、なお今期中、あるいは今年中に取り替えてしまいたい、と思われることもあるのではないでしょうか。
たとえば、従業員の事務机、イスや、玄関の下駄箱など、従業員に気持ちよく仕事をしてもらうため、また来客時のイメージアップをねらってということもあり、
会社や事務所にとっては有意義なお金の使い方になると思います。
今回は、従業員用の事務机やイス、また玄関の下駄箱を一括して購入したときの、
10万円未満の少額減価償却資産、あるいは30万円未満の少額減価償却資産の特例の適用対象となるかどうかの「取得価額の判定」について、見てみましょう。
通常1単位として取引される単位で取得価額の判定をする
取得価額が10万円未満であれば少額減価償却資産の取得価額の損金算入の適用を、
また、取得価額30万円未満であれば青色中小の少額減価償却資産の特例の適用をして、
取得年(事業供用年)に全額費用処理を考えておられる事業者の方がいらっしゃると思われます。
これらの規定を適用するときの取得価額については、
「通常1単位として取引されるその単位ごと」で
判定することとなります。
例えば、機械装置については1台または1基ごと
工具、器具及び備品については1個、1組または1そろいごと
構築物のうち例えば枕木、電柱などの単体では機能を発揮できないものについては一の工事等ごと
で取得価額を判定することとなっています。
机は1台ごと、イスは1脚ごと、下駄箱は1セットごと
よく、応接セットであれば、テーブルとソファーを合わせて1セットで取得価額の判定をするという話になるのですが、
これは、応接セットは、通常はテーブルとソファーのセットで売買されるのが一般的であるからです。
冒頭にあるような、事務机やイス、玄関の下駄箱については、通常の売買単位としては、次のように考えればよいと思われます。
- 事務机…1台ごと
- イス…1脚ごと
- 下駄箱…1セットごと
仮に、事務机やイスは事務所の社員数に合わせるために、また玄関の下駄箱は来客者も含めた人数に合わせるために、
事務机:30台、イス:30脚、下駄箱:4セットを
一括して購入した場合であっても、
上記のとおりの単位で取得価額の判定を行うのが妥当であるといえます。
一括して購入することで合計の金額がたとえ数百万円になったとしても、
合計の金額の大小で判定するものではありませんので、合計の金額には惑わされないようにしましょう。
ご覧いただきまして誠にありがとうございました。
※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。
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