所得税の扶養控除などの判定に登場する「合計所得金額」とは

「合計所得金額」で判定する所得控除

所得税を計算するときに、その納税者の人的な負担によって幾つもの所得控除(人的控除)が設けられています。

例えば、配偶者控除や配偶者特別控除、扶養控除、障害者控除、寡婦・寡夫控除、勤労学生控除といった所得控除がありますが、これらの所得控除を受けるときには、受けることができるかどうかの判定の際に「合計所得金額が○○円以下であれば適用される」といったような、「合計所得金額」要件が付いてくることになります。

それでは、「合計所得金額」とは何なのかを見てみましょう。

 

合計所得金額とは

「合計所得金額」とは、純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失、上場株式等に係る譲渡損失、特定投資株式に係る譲渡損失及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除を適用する前の総所得金額特別控除前分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等の配当所得等(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後の金額)、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。(国税庁)

 

つまり、損失の繰越控除や特別控除する前の色々ある所得金額の合計額のことをいいます。

  • 会社員であれば、給与所得
  • 年金をもらっていれば、雑所得
  • 商売をしていれば、事業所得、不動産所得、雑所得
  • 退職金をもらった年ならば、退職所得
  • 山林経営をしていれば、山林所得
  • マイホームを売却したなら、分離課税の譲渡所得(3,000万円の特別控除前)
  • 株式の売買をしたならば、株式等に係る譲渡所得
  • などなど

これらすべての所得を、プラスとマイナスを損益通算するものはして、合計した金額が「合計所得金額」となります。

 

合計所得金額に含めない所得

合計所得金額は、損失の繰越控除や特別控除をする前の色々ある所得金額の合計額ですが、所得を得ても、合計所得金額に含めないものがあります。

例えば、

申告不要の所得

上場株式売買のために証券会社で”特定口座”を開設して、そこで得た売買益や配当を”源泉あり”の分離課税を選択しておき、「申告不要」としておけば合計所得金額には加える必要がありません。

しかし、仮に、幾つもの証券口座を所有していて、儲かった口座と損失の出た口座の損益を通算(相殺)したい場合とか、総合課税として申告したい場合とかで、申告不要とせずに確定申告をするとなると、その所得は合計所得金額に加えることとなります。

納税者と判定される人の両方の所得や還付金などを計算してみて、どうすれば有利に働くのかを考えてみるとよいでしょう。

 

非課税所得

遺族年金であるとか、傷害保険金や入院給付金などの一定の保険金や給付金については非課税扱いとなっていますので、合計所得金額には含めません。

 

 

まとめ

  • 「合計所得金額」は、損失の繰越控除や、特別控除をする前の、様々な所得金額の合計額をいう。
  • 「申告不要」とするものは、「合計所得金額」には含まない。(申告するときにはよく考える。)
  • 「非課税」の所得は、「合計所得金額」には含まない。

 

 

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