一括償却資産を譲渡したときの処理

一括償却資産とは

一括償却資産とは、取得価額が20万円未満の減価償却資産で、リース資産や、10万円未満の資産・使用可能期間が1年未満の資産で取得価額の全額が損金の額に算入されたもの以外のものをいいます。

たとえば、一つの例として、会社の事務所に備え付けるパソコンなどは、1台10万円から20万円くらいのものが多いと思われますが、これらを普通減価償却する資産などではなく、一括償却産(3年間で3分の1ずつ均等償却)としている会社が多いと思われます。

 

一括償却資産を譲渡したときの事例

償却中の一括償却資産を譲渡したときや、除却したときにどのような処理になるのかを見てみましょう。

 

1台15万円のパソコンを購入し一括償却資産として初年度に取得価額の3分の1(36か月分の12か月)の5万円を償却したが、翌年度にそのパソコンを13万円で売却した場合

 

処理

会社が一括償却資産の適用を受けている場合には、その一括償却資産を購入し事業の用に供した事業年度以後の各事業年度において、譲渡を行ったという事実が生じたとしても、一括償却資産の償却計算においては、その事実がなかったものとして継続して行います。

一度一括償却資産の適用を受けることを選択したら、途中で譲渡あったとしても、その個別の資産の未償却残高を抜き出して損金算入するようなことはしないこととなっています。

 

したがって、次のような処理となります。

仕訳例

<売却時>

現金預金 13万円 / 固定資産売却益 13万円

(売却の対価がそのまま譲渡益となります。)

 

<決算時>

減価償却費 5万円 / 固定資産 5万円

(売却がなかったものとして償却を続けます。)

 

ご覧いただきまして誠にありがとうございました。

※この記事は、作成時点の法令や経験をもとに概要を記載したもので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。