資本的支出についての30万円未満の中小特例の適用

資本的支出についての中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

たとえば、会社が機械装置の一部のパーツを従来よりも品質の高いものに取り替えたことによる費用(資本的支出となるものとします。)について、

30万円未満の減価償却資産にかかる中小企業者等の特例制度が適用できるのかどうか、見てみましょう。

 

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合には、

一定の要件のもとに、その取得価額相当の金額を、損金の額に算入することができます。

 

なお、この特例を適用することができる法人は、青色申告書を提出する資本金1億円以下の法人、

かつ常時使用する従業員の数が500人以下、その他の諸々の要件を満たした法人に限られています。(詳細は省略)

また、1事業年度(12ヶ月間)における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円以下に制限されるなどの要件もあります。

 

 

資本的支出について、少額減価償却資産の取得等とされない場合

法人が平成19年4月1日以後に行った資本的支出については、原則として、その資本的支出の金額を取得価額として、

元々所有している減価償却資産と種類および耐用年数を同じくする減価償却資産を「新たに」取得したものすることとされていますが、

この規定の適用を受けて新たに取得したものとされるものであったとしても、

法人が既に所有している減価償却資産について行った「改良、改造等」にかかる支出については、

基本的には、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例を適用することができないこととなっています。

 

つまり、冒頭の、「機械装置の一部のパーツを従来よりも品質の高いものに取り替えたことによる費用」については、

既に所有している減価償却資産について行った「改良、改造等」にかかる支出ということなので、

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例に規定する「取得等」には該当せず、その特例を適用することはできないとされています。

 

 

資本的支出について、少額減価償却資産の取得等とされる場合

資本的支出の内容が、たとえば、規模の拡張である場合とか、単独資産としての機能の付加などである場合には、

改良、改造等にかかる支出ではなく、「実質的に新たな資産を取得」したと認められるので、

このような資本的支出については、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例を適用することができるとされています。

 

 

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※この記事は、作成時点の法令や記載者の経験等をもとに概要を記載したものですので、記載内容に相違が生じる可能性があります。

また、記事中の特に意見部分については記載者の見解ですので、実際の適用においては必ず個別具体的な内容をお近くの税理士や税務署などにご確認くださいますようお願い申し上げます。